[00:00.000] 作词 : 魂音泉
[00:01.000] 作曲 : ZUN
[00:30.59]拝啓 彼の地の想い人
[00:32.31]種を蒔いた日のことを覚えていますか?
[00:34.63]この場所が不毛の地と呼ばれていたあの大昔
[00:38.11]私たちの胸の中にあった気持ちを覚えていますか?
[00:41.66]絶望という概念も知らず、
[00:43.47]寝ること惜しんで毎日宝探し。
[00:46.09]楽しかった。
[00:47.33]けど初めての秋のことだった。
[00:49.11]あまりの不作に
[00:50.09]「日々の辛すぎる労働の対価がこれなんて
[00:52.51]あんまりじゃないか」
[00:53.33]保証はあってないものってことと、
[00:55.50]さおならはあっけないってこと。
[00:57.16]それと冬は孤独よりも
[00:58.39]はるかにあったかいことを学んで。
[01:00.35]それから幾たび四季を巡れば
[01:02.30]見る間見る間に土地もわたしも豊かに。
[01:04.50]されどどこかでひとりぼっちで生きるその無味さに
[01:07.45]気づいてしまったのは幸か不幸か。
[01:09.41]意味のない繰り返しのような日々を
[01:11.57]埋めるものを探した結果
[01:13.13]届かない手紙の筆をとった。
[01:15.45]
[01:15.48]だってあの日のさよならが もしも聞き間違いで
[01:19.11]実はまたねだったなら 諦められないね。
[01:22.83]ここに強く張った根は 絡む小指のメタファー
[01:26.53]手紙の結びにはいつも この言葉を添え贈る
[01:30.20]
[01:30.21]わたしは変わらずここで種を蒔いてるよ、
[01:37.56]雨にも風にも負けぬ芽を出すためだけに。
[01:45.11]
[01:46.13]幸せについて考えるとき限って生活に疲れてる
[01:49.74]自由にできる時間の分
[01:51.40]もしもと今日を比べて ため息
[01:53.48]一葉また一葉 積み重なった日常
[01:56.51]「せめて今年の種もみの分は」
[01:58.30]と自分にまた言い聞かすんだろう
[02:00.41]だけど、たまに、手のひらへ刻まれた皺を眺め
[02:04.04]すべて捨てたあなたのこと忘れてることに
[02:06.91]気づいたんだよ
[02:07.87]種が苗に、
[02:08.84]苗が実りに変わるリズムで生きるマイノリティ
[02:11.55]注ぐことだけで学ぶ愛の意味を届かないと知りながら
[02:14.80]歌う
[02:15.49]
[02:15.50]だけど今夜歌った歌が ちょっとした間違いで
[02:19.10]実は聞こえてたら どう思うのかな
[02:22.85]やっと芽吹いた芽は 強い信頼のメタファー
[02:26.56]黄金色の水面の中強く愛の意味を知る
[02:30.02]
[02:30.03]わたしは変わらずここで種を蒔いてるよ、
[02:37.58]雨にも風にも負けぬ芽を出すためだけに。
[02:45.11]夜露に抱かれて頭を垂らす様は、
[02:52.57]今際の分かれを知るわたしたちに似ている。
[03:00.33]地球のどこかであなたがまた種を蒔くときは
[03:07.64]雨にも風にも負けぬ根を張りますように。
[03:15.08]さよなら、記憶の中生きる想い人よ。
[03:22.57]わたしは変わらずここで種を蒔いているよ。
[03:30.70]
[03:30.76]想い人、どこにいようとあなたの苗の豊穣祈る。
[04:30.63]