[00:00.00]
[01:25.09]都合良く繋ぎ合わせた季節のなかで微睡み続け
[01:28.96]次第に深く沈んでいく
[01:31.22]それはとても心地が良く
[01:33.40]二度と目覚めなくともいいとすら思えた
[01:36.09]覚醒を厭う 子守唄が聞こえる
[01:39.86]深い、 意識の奥
[01:41.89]おやすみなさい――
[01:43.53]廻り始めた 時計の上で
[01:52.78]踊り疲れて 瞼を閉じた
[02:01.14]いつも 独り 唄っていた
[02:06.33]ずっと ずっと 凍えたまま
[02:11.18]嗚呼 深く 深く 沈んだ先
[02:15.78]私を見つけた
[02:18.68]......
[02:34.97]歪み始めた 景色の中で
[02:43.55]輪郭の無い 声が呼んでる
[02:51.94]遠く遠く 魔法の国へ
[02:56.67]きっと ずっと 戻れないと
[03:01.00]嗚呼 探していた 鍵を取って 
[03:05.45]小さく笑った
[03:09.00]名も無き夢と 重ね合わせた記憶に
[03:12.85]囚われて 私は 孵らぬ
[03:17.38]まだ 捨てきれぬ 思いに揺れている
[03:21.71]求めていた 降り注ぐ 光の雨に濡れながら
[03:28.68]......
[04:00.36]流れ 流れていく 惑いの果て いずれ
[04:09.44]忘れゆく 季節を 知らぬまま
[04:16.64]嗚呼 今も
[04:22.00]......
[04:39.24]後背は暗き 陰は震え 声を嗄らし 啼いている
[04:44.88]在りし日の残映よ 私はもうそこにはいない
[04:49.07]彷徨い続け 蒼い森の奥
[04:54.74]荊の鳥が啼く
[04:58.12]光と闇が 絡み伸びていく
[05:03.44]溢れて 空を仰ぐ
[05:26.97]「現実という認識は
[05:28.42]己の精神が囚われている空間に従属する感覚の一種だ
[05:32.99]それらを現実と知覚し 現実たらしめているものは脳髄であり
[05:37.74]ならば 脳髄の中にこそ現実は存在するのではなかろうか
[05:41.85]然るに 精神の解放をもって 現実の在処もまた移りゆく」
[05:48.03]「現実は夢となり 夢は現実となる
[05:50.86]代償は決して安くは無いが これは彼女が望んだものだ
[05:55.47]究極の自由を手にした彼女にとっと
[05:58.19]物質的な存在はとうにその価値を失っている
[06:01.74]故に喪失ではなく 単に不要なものを棄てただけに過ぎない
[06:06.16]真の超現実主義者と呼べるものなのかもしれない」
[06:11.42]さて――君は今、 何色の妄想を見ているのだろう?
[06:18.67]......
[07:29.34]終わりも始まりもない
[07:31.65]永遠とも異なる 時の停滞に身を委ねる
[07:35.35]色無き夢よ
[07:36.49]色褪せた記憶よ
[07:38.29]ささめく死者よ
[07:39.98]ざわめく闇よ
[07:40.98]廻る 廻る 紅い月よ
[07:44.53]祈り 瞳を隠して
[07:47.98]大人にならないまま
[07:51.46]静かに 漂い続け
[07:52.83]嗚呼 廻る 紅い月よ
[07:56.17]錆び付く 心を隠して
[07:59.64]眠れぬ夜を越えた
[08:03.64]華麗な 魔法は解けない
[08:11.62]......
[09:17.48]覚醒 (awake)
[09:19.93]......
[09:54.02]表裏ではなく 内外でもない
[09:58.63]自我より生じた 認識の狭間へと落ちていた
[10:02.71]もはや眠りという行為ではなく 夢という現象の一部だ
[10:11.47]君よ 望みは叶ったか――
[10:12.82]名も無き夢と 重ね合わせた記憶に
[10:17.05]囚われて 私は 孵らぬ
[10:21.68]もう 捨て去った 想いは儚く
[10:25.78]求めていた 降り注ぐ 光の雨は止まない
[10:28.14]夢は 白く霞んだ追憶
[10:32.91]閉ざされた 扉は開かぬ
[10:37.48]嗚呼 甘きに落ちて 躯は朽ちて
[10:40.18]痛みと 幸せな嘘
[10:44.34]二度とは醒めぬ 空虚の中
[10:53.33]......
[11:07.44]それは果たして
[11:09.03]本当に幸せなことだったのだろうか
[11:13.27]今はもう 知る術はない