昭和74年発表、横山剣率いるCKBの記念すべきデビューアルバム。高度な演奏力と旺盛なサービス精神ゆえに、ライヴバンドとして非常に高い評価を得ているCKB。その並々ならぬテンションを鼓膜からビンビン感じることができる、実にエネルギッシュな一品だ。 イントロ曲にいざなわれて始まる、転がるような疾走感のカッコいいナムバーで幕を開け、そこから先は、一流シェフがいる無国籍食堂のような贅沢なフルコースを楽しむのみ。彼らの本拠地であるライヴハウス「長者町フライデー」のテーマソング、タブラとシタールの妖しいビートに乗せて唄われるバングラ歌謡(?)のを通り抜け、小野瀬雅生による奇形カントリーインスト曲に続く、ハードコア演歌のに差し掛かるころには、もう全身汗びっしょり。スウィートソウルのに続く後半はファンキーなナムバーのオンパレード。女性が主人公のでは、和田アキ子と聴き間違えるようなゴッドねえちゃんなヴォーカルが炸裂する。切ないバラード、そしてラストの名曲を聴き終えた頃には、「このアルバムに出会えてよかった」と心から思えるはず。全曲間違いなくおすすめできる分厚い1枚だ。