生物学者が、遺伝子を操作実験して奇怪な生物を生み出す。最近はアメリカやヨーロッパでも熱狂的ファンが急増中の三人組ガールズバンド、eX-Girlの音を聴いて連想したのは、一昔前のSFマンガや映画に出てきそうな、そんな光景だった。無責任な妄想であることを承知のうえで書かせてもらうなら、プロデューサーのホッピー神山が、スリッツやレインコーツといったニューウェーヴ女性バンドの遺伝子をいじくっているうちに突然変異を起こして生まれたガレージニューロック、とでもいうような。しかも今までだったら、この手のバンドは作品を出すごとに衝撃が薄れていくのが普通だったのに、このサードアルバムでは、野蛮なポップセンスがさらに毒々しくエスカレート。なかでも、テクノポップクラシック、Mの「Pop Muzik」の破天荒なカヴァーは、彼女たちの毒で頭が完全にやられてしまうくらい危険度も快感度も高い。聴き終えた時、頭の中はケロケロ~。